§4



地球という国に降りた私は、

「学校」らしき建造物の門の前に立っていた。

「そんちょうさん!!」

ヒーラちゃんのおかあさんがそんちょうさんにききました。

「ヒーラはまだ10さいですよ!?あんなきたないくにでくらせるのですか!?」

そんちょうさんはいいました。

「だいじょーぶ!だいじょーぶ!
ヒーラちゃんはちきゅうではほんとうは『しょうがくせい』
なんだけど、『しょうがくせい』では
ちきゅうというくにをすくうけんりょくをもっていないから、
からだもこころも『ちゅうがくせい』という『しょうがくせい』より
けんりょくをもつそんざいにしといたんです!!」

「だとしても…
…ところでさきほどから『ちゅうがくせい』にしたといっておりますが…」

「なんだ?」

「ちのうはどうなるんですか?」

「…ヒーラちゃんはあたまがいいからだいじょうぶでしょう!!」

「……そうですね!!そうですよね……。」

「学校」という建造物については村長さんから聞いている。

「勉強をする。友情を育む場。」

そう聞いていた。

いい人間ばかりだと言っていた。

………。

その時、あることに気付いた。

この「地球」という世界。

全てが薄い板のようなものでできていた。

「学校」という建造物も、一枚の板でできていた。

ここが本当に「地球」なのだろうか?


§5

この世界の地面は私が住んでいた国と同じように、

暖かくもなく、冷たくもなかった。

「学校」と呼ばれる建造物以外、周りは何も無い。

この国にいる生き物は、私、一人。

元の国へ帰りたいけど、

帰り方がわからない。

行くあてのない私は、

1枚の板の「学校」に向かって歩き出した。

「学校」への入り口らしき「部分」に近づいた瞬間、



私の周辺が真っ赤に染まり、

顔が笑い出した。

「きゃあああああああああああああああ!!!!」

思わず叫んでしまった。

怖いだけではない。

無性に泣きたくなってくる。

腰がぬけて、動けなくなってしまった。

ああ、ここで私は死ぬんだ。

今までこんなにまでなって耐えてきたのに。

今までの苦労は無駄になっちゃうんだ。



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