地球という国に降りた私は、
「学校」らしき建造物の門の前に立っていた。
「そんちょうさん!!」
ヒーラちゃんのおかあさんがそんちょうさんにききました。
「ヒーラはまだ10さいですよ!?あんなきたないくにでくらせるのですか!?」
そんちょうさんはいいました。
「だいじょーぶ!だいじょーぶ!
ヒーラちゃんはちきゅうではほんとうは『しょうがくせい』
なんだけど、『しょうがくせい』では
ちきゅうというくにをすくうけんりょくをもっていないから、
からだもこころも『ちゅうがくせい』という『しょうがくせい』より
けんりょくをもつそんざいにしといたんです!!」
「だとしても…
…ところでさきほどから『ちゅうがくせい』にしたといっておりますが…」
「なんだ?」
「ちのうはどうなるんですか?」
「…ヒーラちゃんはあたまがいいからだいじょうぶでしょう!!」
「……そうですね!!そうですよね……。」
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「学校」という建造物については村長さんから聞いている。
「勉強をする。友情を育む場。」
そう聞いていた。
いい人間ばかりだと言っていた。
………。
その時、あることに気付いた。
この「地球」という世界。
全てが薄い板のようなものでできていた。
「学校」という建造物も、一枚の板でできていた。
ここが本当に「地球」なのだろうか?
§5
この世界の地面は私が住んでいた国と同じように、
暖かくもなく、冷たくもなかった。
「学校」と呼ばれる建造物以外、周りは何も無い。
この国にいる生き物は、私、一人。
元の国へ帰りたいけど、
帰り方がわからない。
行くあてのない私は、
1枚の板の「学校」に向かって歩き出した。
「学校」への入り口らしき「部分」に近づいた瞬間、
私の周辺が真っ赤に染まり、
顔が笑い出した。
「きゃあああああああああああああああ!!!!」
思わず叫んでしまった。
怖いだけではない。
無性に泣きたくなってくる。
腰がぬけて、動けなくなってしまった。
ああ、ここで私は死ぬんだ。
今までこんなにまでなって耐えてきたのに。
今までの苦労は無駄になっちゃうんだ。
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