悪い子
さく・かのぐち
わたしは、わるいこです。
わたしは、わたしのいえのそとのつかっていないそうこにとじこめられました。
わたしが、おかあさんのたいせつなブローチをなくしたからです。
だから、わたしはわるいこです。
わたしがとじこめられたそうこには、なにもありません。
おおきなへやです。
かべはまっしろです。
とってもなんだかいいにおいがするへやです。
でも、へやはちょっとくらいです。
へやのいりぐちには、がぎがかかってでられません。
おかあさんが、わたしをここにとじこめたときに、こういいました。
「あなたは、悪い子だからここに居なさい!」
このへやで、わたしは、いちにちじゅういることになります。

わたしは、このへやでなにもやることがないので、ずっとよこたわっていました。
へやのそとから、かぜのおとがきこえます。
とっても、きもちいいおとです。
でも、へやのなかは、しーん、としています。
とってもさびしいです。
とってもかなしいです。
わたしは、ないちゃいけないのに、ないてしまいました。
わたしは、わるいこです。

しばらくすると、そうこのそばの、くるまのエンジンのおとがしました。
おとうさんと、おかあさんが、どこかにでかけるみたいです。
でも、わたしはわるいこなので、でかけられません。
「おかあさん!おとうさん!いかないで!ここからだして!」
そうだ、わたしはわるいこだから、あやまらないと…。
「ごめんなさい!おかあさん、ほんとうにごめんなさい!もういたずらはしないから、ここからだして!ほんとうにごめんなさい!」
でも、わたしのこえはおかあさんにはきこえず、いってしまいました。

そして、しばらくすると、だれかがわたしのいえにやってきました。
…ピンポーン…
いえのいりぐちの、チャイムがなりました。
でも、いえには、だれもいないので、だれもでません。
「そうだ…!ここからだしてもらおう!
…でも、どうしよう…しらないひとだったら…。」
…ピンポーン…。
わたしは、こわかったので、たすけをよぶことができませんでした。
すると、こえがきこえました。
「…おい、ついてるぜ…。誰も居ないみたいだぞ…!」
「よし…!これで思う存分暴れることができるな…!」
「ま、誰かが出てきても、殺す予定だったしな…!」
「カネだけ盗んで、さっさと逃げようぜ!」
どうやら、ふたりのひとがわたしのいえにいたずらをしようとしているみたいです。
ふたりは、わたしのいえの、もんからはいって、かぎをあけ、いえのなかにはいってきました。
わたしは、とてもきんちょうしながら、じーっとしていました。

しばらくすると、ふたりがいえのなかからでてきました。
「やったな!こんなに宝石があるなんてな…。」
「この家のやつら、大金持ちなんだな…ハハハ!」
「こんなに家の外見は貧乏なくせにな…。生意気だぜ!」
「…おい、アレ見てみろよ…。」
「ん?…お、あんなところに倉庫があるな…。気づかなかったぜ…。」
どうやら、わたしがとじこめられているそうこに、きづいたみたいです。
「ど、どうしよう…!こ、こわいよ…。おかあさん…おとうさん…。たすけて…!」
でも、おかあさんとおとうさんは、いません。
そうこのかぎのおとが、ガチャガチャきこえます。
そして…。
「…よし!開いたな…。」
とびらがあきました。
「…おい、こんな所に子供がいるぜ…?」
「…どうする?」
「…すぐに殺すのはもったいないからさ…へへ…。」
「…なるほどな…!やっぱりお前はロリコンだな…ハハハ!いいよ、やっちまって。」
ふたりが、わたしのそばによってきます。
「こ、こっちこないで…。」
「大丈夫だよ…お嬢ちゃん。気持ちいいことしてあげるだけだからさ…そして楽にしてあげるからさ…!」
「い、いや…!こないで!!だれかたすけて!!」
「おい大声出すなよ!!出すと殺すぞ!!」
「ひっ…!」
「まあ出さなくでも殺すけどな!」
「い、いやぁ…!!」
わたしは、ふたりにつかまりました。

わたしは、そのあと、
いっぱい、いたくて、くるしくて、つらくて、いやなおもいをしました。
わたしは、ずっとないていました。

「ぁぁぁぁぁぁ…。」
「こいつ、こんな程度で壊れたみたいだな!」
「どうするよ。こいつ。」
「もちろん、さ…。」
ほうちょうをだしました。
「お前やっぱり人間として最低だな!ハハハ!」
「最低で結構だよ!俺らは悪い子だからな!すぐに楽にしてやるからさ…心配するなよ…。」
「いやぁ、いやぁ、いやぁ…。やめて…わたしをころさないで…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめ」

…親が帰ってきた時には、少女は無惨な姿になっていました。
彼女の顔はとても悲しい表情をしていました。
少女は誰にも助けてもらえず…死んでしまいました。
かわいそうな彼女…親は二人とも泣いていました。
「ごめんね…私が…あんなことをしたから…!!!」
後悔しても遅すぎました。
少女は二度と二人の元には帰ってきません。
そして、悪い子のまま…。

〜おわり〜